こんにちは きみこです。
年末になると、寒さのせいか温かい郷土料理が恋しくなる時期じゃないですか?
湯気が立ち込めるあの温かい雰囲気がいいですよね。
突然ですが、けの汁ってご存じですか?
聞いたことはあるけど、何の汁なのかしら?と思っていませんか?
青森は津軽地方に伝わる郷土料理なのですが、秋田にもありますよ。
秋田では「けの汁」ではなく「きゃの汁」というそうで呼び名似てますよね。
このけの汁は細かく刻まれた具材が沢山で、栄養もたっぷりなのが特徴です。
年末寒い時期だから作り置きやアレンジもできちゃう優れものの郷土料理でもあるんですよ。
青森に遊びにいらしたことがある方の中には、ご存じの方もいるのではないでしょうか?
また、青森出身で県外に出ている方には郷土の味が懐かしいのではないかと思います。
けの汁は各家庭でちょっと違う味、具材だったりとこれもまた楽しい。
私の家は代々みそ味ベースのけの汁だったので自分で作るときはみそ味のけの汁です。
そして母の実家は醤油ベースだったので、いとこ達は醤油味が懐かしいと言います。
各家庭で味が違うから、お正月は遊びに行った先で味わうけの汁は楽しみの一つでもあります。
冬になると食べたくなるし、作り置きが無くなると口寂しい…これがけの汁の魅力!!
そんな青森の冬の風物詩でもある、具沢山けの汁について解説していきたいと思います。
この記事は こんな方にオススメ
・けの汁について知りたい方
・けの汁のレシピを知りたい方
・アレンジの方法が知りたい方
・「け」という津軽弁について知りたい方
・日常会話で使える津軽弁を知りたい方
では、津軽弁を交えての解説、本題へとまいりましょう!
青森の郷土料理【けの汁】とは?
けの汁とは、まず「け」とは…青森では食べるものでいうと「お粥:おかゆ」のこと
なので「けの汁」:おかゆの汁のことを指します。
津軽地方から秋田にかけての郷土料理なんですよ。
けの汁の具材は山菜や根菜類、高野豆腐と油揚げを細かーく刻んだものが入っている、味噌や醤油味のお味噌汁のような、精進料理のようなもの。
沢山の量を作るのは、家事をする方々の負担を少しでも助けるためなのです。
年末年始のお母さんの家事負担ってかなりキツイですからね。
例えば、おせち料理的な感じです!おせち料理も沢山の作り置き料理ですよね。
調べてみると起源は…
青森県弘前市には、同市和徳町に所在したとされる和徳城(南部氏家臣・小山内氏の居城)が戦国時代の1571年(元亀2年)に大浦為信により攻められた際、城内の小山内軍の兵が落城前に食べた食糧が、けの汁の起源となったとする伝承があり、地元の有志団体により「けの汁発祥の地」を啓発するイベント等が行われている。
引用元:ウィキペディア
なるほど、「けの汁」は出陣前の腹ごしらえだったわけですよね。
具材たっぷりで結構満足な汁物で、体も温まるわけですから。
※大浦為信とは…初代弘前藩主「津軽為信公」です。
こんな会話がされていたかも…
兵1「なもちゃんと腹ごしらえさねば、たおいでまるど」
(訳:あなたもちゃんと腹ごしらえしないと、倒れてしまうよ)
兵2「んだ。たおいればまいねはんで、けの汁食っておぐ」
(約:そうだね。倒れたらだめだから、けの汁食べておくよ)
なんてね。
余談ですが津軽弁の「け」使い方解説
余談だけどね、青森じゃ「け」だけで何通りもの意味や使い分けがあるよ。
1.け:かゆい 2.け:食べて 3.け:ちょうだい 4.け:お粥
使い方で「け」のイントネーションも変わるよね。
さすが、難解ともいわれる津軽弁!
例えば
1.け:かゆい時
「わいっ、いづ蚊さ刺さいだべぇけくてまいね!」
訳すと「えっ、いつ蚊に刺されたんだろう、かゆくてたまらない!」
2.け:食べての時
「めぇ菓子あるはんで、無ぐなる前にけ!」
訳すと「美味しいお菓子があるから、無くなっちゃう前に食べて!」
3.け:ちょうだいの時
「あれぇ、ずんぶいい花っこ作ってらんでね?わさもけ」
訳すと「あらぁ、ずいぶん素敵な花を作って(植えて)いるじゃない?私にもちょうだい」
4.け:粥の時
「風邪ひいだいんた、食欲ねぇはんでけ作ってけ」
訳すと「風邪ひいたみたい、食欲が無いからお粥作ってちょうだい」
こんな感じで使います!寒い土地なので、古くから口数少ない表現で話すのが風習なんです。
ネイティブすぎな津軽弁でした。良ければ使ってみてね~。
具沢山で栄養たっぷり レシピも
けの汁は具沢山で栄養たっぷり。濃い味に仕上げて沢山の量を作り置きします。
具材:干しておいたゼンマイ、ワラビ、フキの山菜水煮、角こんにゃく、凍み豆腐(高野豆腐)、油揚げ、人参、大根、ごぼうの根菜です。(山菜が取れた時に保存用に加工しておく家庭もありますよ。)
※具材はだいたいが青森のスーパーで揃えられます。
作り方:具材をだいたい5mm角くらいに細かく刻んで根菜類は先に下茹でをします。
出汁は昆布と煮干しと焼き干し(これも各家庭で違う)を前日に水煮入れておきます。
細かくした具材は、大鍋に出汁と一緒に入れひと煮立ちさせ味噌(白みそ、赤みその合わせみそ)か醤油で濃い目に味付けで出来上がり。
意外と簡単に作れますが…下ごしらえはファイトが必要です!
ポイント:だし汁(水分量)は少な目で具材が多め。
粗熱をとって冷蔵庫や冷蔵庫並みの日の当たらない冷温室にタッパーなどの保存容器に入れて、保存しておきます。
濃い目に作られているので食べるときは水を足して塩味を調整してからいただくんですよ。
作ってみたい方は、青森だと年末にはスーパーに具材がカットされた「けの汁パック」が売られているのでぜひ!
注意:実際に具材を細かくカットするところから作るとずーっと台所に立つことになるので、腰がやられます。(;´・ω・)でも苦労したかいがあっておいしいのよ。
いつ食べる?アレンジもできる優れもの
我が家では、年末12月26日から30日くらいまでの間に作ります。
なので味見がてら作りたてを食べますが、2日位おいて味が染みてからが食べごろですかね。
もちろん、各家庭で違いますよ。
味が染みた大晦日あたりにたーっぷり食べます。美味しいし温まる!
アレンジ
アレンジって言っても、あくまで味噌汁なんでしょ?って思っていませんか。
沢山作られたけの汁は具材が沢山なので、このようなアレンジをして食べますよ。
(あくまで我が家でですが)
・ご飯の余りを入れてお粥
・溶き卵を入れて雑炊
・お餅を入れてお雑煮
・お出汁とそうめんを足して、にゅう麵で
他にもアレンジされている家庭もあると思いますが、これも「けの汁の魅力」の一つでもあります。
因みに出汁をとった昆布は、細切りにしてお酢と醤油で漬けて酢昆布になります。SDGsですねー
まとめ
青森の郷土料理「けの汁」についてお伝えしましたが、いかがでしたか?
難解津軽弁の解説もしましたが理解できたかしら?
けの汁は寒い土地ならではの郷土料理。
保存した食材を使って作る知恵と、作り置きし保存もできる青森津軽の冬を代表する料理。
具材たっぷりで、栄養もとれアレンジも出来る優れものです。
冬の寒い時期には温まる「けの汁」を食べてみませんか?オススメです!!
「けの汁」を食べている期間はお通じもいい感じでスムーズだったりします。
根菜類などの食物繊維がお腹に良いのかな?とも思います。
だいたい年末に食べるけの汁ですが、青森市内の郷土料理を食べられるお店のメニューにあったりしますので、青森観光に来た際はぜひ味わってみて下さいね。
最後まで読んでいだたきありがとうございました。
少しでも読んでいただいた皆さんのお役に立てれば幸いです。
またお会いしましょう。 へばねぇ~(またねぇ)
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